tonight
†ogre of last marvelous apple† 5
2008年 04月 01日 (火) 15:57* Comment(0)


少女がいた。


「どうしたの?お兄さん」
「え、あ、少し迷子に・・・って違う!」

とっさに口から出てしまった言葉に慌てて、弁明しようとわたわたしていると、耳に心地いい、くすくすと押し殺したような笑いが聞こえてきた。
見ると、目の前の少女が口に手を当てて笑っている。
何故、笑うのかと、思わずきょとんとして見ていると少女は

「あぁ、ごめん、っく・・・ぶふっ、お兄さんの反応が面白くて・・・っくふ、あなた迷子なの?」

と噴出しながら言う。

「ちっ違うよ!ただ、ちょっとつれとはぐれちゃっただけで・・・」
「それを迷子と言うんじゃないの?」
「っうぅ・・・」

図星を指され、なんとも言えないセキを見て少女は可笑しそうに言う。

「迷子さん私の家でお茶でも飲んでかない?」

もし、この時僕が無理矢理にでも彼女の腕を振り払っていれば・・・。
僕はあの悲劇に出くわすことは無かっただろう。
だが、後悔はしていない。
それは、『解決』ではなく『逃げ』なのだから。

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